疲労回復に効果的な入浴法 ( 令和1年10月号 )

文責:院長 牧村康広

作成日:2019年10月02日

最終更新日:2024年05月24日

入浴習慣の効果

 良質な入浴を行う習慣をつけることは、日常生活で行える最も効果的な健康法の一つです。

 入浴法を改善することにより、健康状態を自覚することが出来るようになり、幸福度も高くなるというデータも出ております。

 効果的な入浴法によりリラックス効果・疲労回復効果・血流促進効果・免疫力UP効果・良質な睡眠が期待できます。

お風呂の効果を最大限引き出す入浴法

温度・時間 】

 

 疲労を回復するためには40度のお湯に15分間全身浴するのが良いそうです。

 40~41度のお湯は血流を促し体の修復やリラックス効果をつかさどる副交感神経を優位にし、入浴1時間後の保温効果を見ても42度のお湯に浸かった場合より高いという実験結果も出ております。

 また全身浴により静水圧・浮力を得ることができるので、さらに静水圧による血流促進効果・浮力によるリラックス効果を得ることが出来ます。

 ※ 40℃のお湯に15分浸かることにより体温が1度上昇し体の免疫細胞も活性化します。

【 タイミング 】

 

 食事の後1時間くらい空けて入浴し、入浴後1時間位開けてから就寝すると良いとされています。食後すぐに入浴する消化不良を起こし易いです。入浴から約1時間位で体温が緩やかに下がり始めるために眠りにつきやすくなります。

 

【 注意点 】

 

① ( 水分補給に気を付けましょう )

 入浴により体の水分が少なくなり血液の粘度があがると危険です。入浴前後にはお茶や水など比較的糖分の少ない水分をとることをお勧めします。

 

② ( 高齢者の冬場の入浴には注意が必要です。 )

 特に寒暖差による急激な血圧の変動が引き起こす「ヒートショック」には注意が必要で日本では毎年1万7000件ほど入浴中の事故が起こっています。

 冬場の入浴は事前に浴槽のふたを開け浴室全体を温めておくなど急激な室温差に注意してください。

 かけ湯は手先や足先から体の中心に向かって十分行い体を慣らしてから入浴してください。

 

③ ( 飲酒後の入浴は避けましょう。 )

 飲酒後は時間を置き、酔いを醒ましてから十分水分を取った後入浴してください。

 

※ 心臓疾患・呼吸器疾患のある方の全身浴は胸にかかる水圧が問題となる場合があるので主治医に相談してから行うようにしてください。

入浴の Q&A

① Q: 朝 出勤前にも入浴することがあるのですが温度時間は夜と同じでいいですか?

  A :  朝 出勤前は42度以上の熱めのお湯やシャワーに入ると、交感神経を刺激して体を戦闘モードに切り替えてくれます。朝から体の活動性が亢進することで一日の消費カロリーが上がるのでダイエット効果も期待できます。(入浴する場合は体の負担を考え10分以内にしてください。)

 

② Q :  生理中の入浴は避けた方が良いですか?

  A :  生理中でも水分をしっかり取るなどの注意をしていれば、入浴制限をしなくても良いです。

 

③ Q :  入浴剤は入れた方が良いですか?

  A :  さらに効果をたかめたい方入浴剤を入れるとよいと思います。それぞれ硫酸ナトリウムには血流促進・疲労物質除去効果・炭酸系には血管拡張・血流改善があるので「 座りっぱなしで血流が滞っている方は炭酸系 」体を良く動かして筋肉が疲労している方は硫酸ナトリウムが含まれる無機塩類系の入浴剤がお勧めです。

 

④ Q :  お風呂上がりにビールを飲んで良いですか? 

  A :  ビールには利尿作用があるため、脱水症状が現われる危険性があります。お風呂上りにビールを飲むのであれば、水やイオン飲料も一緒に取るようにしてください。

 

⑤ Q :  風邪を引いている時の入浴は控えた方が良いですか?

  A :  熱が38℃以下で体調がそれほどひどくなければ、40℃前後のお風呂で回復が早まる効果があります。体温が上がることで免疫細胞が活性化し、蒸気が鼻や喉の粘膜に引っ付いたウイルスを弱らせて症状を緩和させてくれます。  

PageTop